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ホームセキュリティーとは、盗難のみの備えではありません。火災もおそろしい。
最近世間を騒がせた平田絵里こと「くまぇり」の放火ブログ。彼女はアイドルを夢見た
挙句、「名声願望」が異なった方向へと向かい、「世間を騒がせたい」「諏訪の街を
全国的に有名にしたい」とのねじ曲がった欲望をもってあちこちに放火、その有様を
デジカメで撮影してブログに公表。結局「火災の状況に関してくわしすぎる」こと
から足がつき、逮捕に至ったのでした。
実際の大抵の放火魔も、彼女に似た傾向が見られます。恨んだ相手の家に放火する、
地上げのために放火するのは別として、対外の放火魔はいたって小心です。心の中に
うっぷんや欲望を溜め込んでも、それを晴らす術を知らない弱虫です。しかしあとで
うまく逃げるのを度外視すれば、火をおこすのは簡単にできます。暗闇の中オレンジ
色の炎が光り輝き、ゴウゴウと音を立ててはじける。焦げるにおいが立ち込める。
消防車のサイレンが夜の静寂を切り裂き、野次馬が喚き散らす。
一般社会では目立つ術を知らぬ放火魔は、自身の起こした火で周囲の人が大混乱に
陥るのを見、自身にある意味で「自信」を持ってしまうのです。
そして実際、彼らは火が「好き」なのです。炎に魅入られた人々です。自身が放火し、
炎上する建物を野次馬の中に紛れ込んで、陶酔しつつ眺めているというから恐ろしい。
このような人間の欲望の餌食になってはいけません。火災の害は、盗み以上におそろ
しいものです。ホームセキュリティーのこころで街を、家族を守りましょう。
いくら家の中、台所や風呂場、灰皿まわりの火の元に気をつかったとて、戸外から放火
されてはたまりません。敷地全体、街全体を守ってこそホームセキュリティー万全です。
とにかく、家の周りに燃えやすいものを置かないようにしましょう。明日回収に出す
新聞紙は夜間からドア外に出さず、重くとも朝になってから出しましょう。入らない
ガラクタは家の周りにおかず、出次第廃品回収にまわして処分するか、物置小屋にし
まってしっかり鍵をかけましょう。物置小屋に対しては防犯意識が薄く、鍵があけっ
ぱなしの場合も多いもの。しかし人の気が無く、中にはムシロや縄なぞ、燃えやすい
ものがたくさん入っている物置小屋を、放火魔が見逃すはずがありません。家で薪を
使っている家庭は、薪置き場は家から離すことをお勧めします。
関東地方から西の、冬でも雪が降らずあまり寒くない地方では、石油販売者が留守宅
の門の前に置いたポリタンクの中に灯油を注ぎこんでいくのが冬の風物詩。しかし防
犯面からはいただけません。買った灯油を家の中にすぐさま運び込むならともかく、
留守宅の門の前に短い冬の日が暮れても置きっぱなしにしておけば、発見した放火魔
に何をされるかわかりません。それに18リットルで1400円もする昨今、灯油ド
ロに持っていかれるおそれもあります。
盗難は一軒の被害で済んでも、火災は隣近所を巻き込みます。みなで団結し、ホーム
セキュリティーを整えましょう。
放火されやすい家は、ズバリ古い木造住宅。空き家ならばカンペキです。火がつきや
すく、盛大に燃え上がる。放火魔の欲望を満たしてくれます。
街に一軒はある、お風呂屋。火を使うお風呂屋は、窯場からの出火以外に放火にあ
う危険も高いといいます。昔風の風呂屋ならば老朽化した大型木造建築で、一度出
火すれば盛大に燃え上がる上、裏に燃料の薪が大量に詰まれていますので、どうし
ても放火魔の心をくすぐるところがあるのでしょう。風呂屋の窯場や薪置き場は、
重い鉄い扉をつけるなど、セキュリティーを厳重にする必要があります。
街の変わり者が住んでいるような「ゴミ屋敷」も放火される条件を兼ね備えており
ます。家の周辺には燃えやすいものが満載、建築も大抵は古い木造で放火魔の心をく
すぐる上、住民の奇異な行動ゆえ周辺全体の住民から疎まれている。街のお隣さん
が放火魔に転じる恐れすらあります。
ホームセキュリティーは街のセキュリティー。空き家も変わり者の方も大切な街の
一部です。すべてを守り、目を光らせなければいけません。
集合住宅の放火に対するセキュリティーは特に万全にしなければなりません。1点の
出火から何世帯もが焼け出され、家財を失い、最悪死に至るのです。特に上階に取り
残された場合の悲劇は、想像を絶するものがあります。
木造のアパートならば、部屋の周辺に燃えやすいものなぞ絶対に置かないでください。
一階の住人の中には、窓の外にストーブ用の灯油ポリタンクを出したままにしてある
場合がまま見受けられますが、これは放火魔にしてみれば「渡りに舟」。灯油ポリタ
ンクは必ず室内にしまうようにしてください。放火以外の失火でも、炎上した場合の
被害は同じ。風呂場の浴槽には常時水を貯め、いざと言う時の消化に役立てるよう、
住民全体で連絡しあいましょう。
鉄筋のマンションでも、安心はできません。やはり誰もが出入りできる一階には、
燃えやすいガラクタは放置しないようにしましょう。そして一番の問題が玄関ポスト
管理人がいないマンションですと、入り口にはポストに投げ込まれたビラが無造作に
ばら撒かれている場合がある。
これまた放火魔の心をくすぐる行為。鉄筋への延焼は
無いにせよ。大事な手紙まで焼かれれば、人生が台無しになる恐れすらあるのです。
いらないビラでも、かならず部屋に持ち帰って処分してください。交流が少ないワン
ルームマンションであっても、住民同士団結し合い、ホームセキュリティーに心を
つくしましょう。